小説における構成とは何か?物語を“設計”する視点と技法の基本

創作ラボ
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小説を書くとき、つい「何を書くか」ばかりに意識が向いてしまう。アイデア、設定、キャラクター、印象的な場面──どれも大切だ。しかし、それらをどの順番で、どの距離感で読者に届けるかによって、物語の印象は大きく変わる。

同じ出来事を書いているはずなのに、「読みやすい」「頭に残る」「感情が動く」作品と、「散らかっている」「何が言いたいかわからない」作品が生まれるのはなぜか。

その違いを生むのが、小説の構成である。

小説における「構成」とは何か?

小説の構成とは、物語をどう展開するかの設計図である。出来事そのものではなく、どの順番で語るか、どこに焦点を当てるか、読者の感情をどう動かすかを決める行為だ。

構成とは、物語を整理する技術であり、同時に読者体験を設計する行為でもある。ここでは、小説でよく使われる代表的な構成を「型として覚える」ためではなく、「性質を理解する」ために整理する。

起承転結

もっとも古典的な四段構成。


  • 起:状況の提示
  • 承:展開・積み重ね
  • 転:変化・意外性
  • 結:収束・まとめ

物語全体の構造を把握しやすいため、短編から長編まで幅広く使われる。特に、「どこで転換を起こすか」「何を回収して終わるか」を意識しやすい点が特徴。

三幕構成

物語を三つのブロックに分ける構成。


  • 序盤:状況と課題の提示
  • 中盤:葛藤と変化
  • 終盤:決断と結末

物語の流れを論理的に整理しやすく、「今どこを書いているのか」を把握しやすい。プロット設計や長編小説との相性がよい。

序破急

テンポとリズムを重視した三段構成。


  • 序:静かな導入
  • 破:動きと変化
  • 急:一気に畳む

感情の加速や、場面の勢いを作りやすく、心理描写や余韻を重視する作品と相性がよい。

序破急と三幕構成の違いとは?

両者は似て見えるが、本質は異なる。三幕構成は「構造」に重点を置き、物語を理論的に分割して整理する手法。

一方の序破急は「リズム(緩→動→急)」を重視し、感情の起伏や場面転換にメリハリをつけるための感覚的設計である。

つまり、三幕は構造的/序破急は感覚的な進行と捉えるとよいと言われている。

フック型構成

冒頭に強い出来事や謎を置く構成。


  • 事件
  • 異変
  • 強い違和感

上記を最初に提示し、読者の関心を掴んでから情報を開示していく。

Web小説や連載形式でも多用されるが、「なぜそれが起きたのか」を後半で回収する設計が重要になる。

回想型構成

現在と過去を行き来しながら語る構成。


  • 現在:結果や状態
  • 過去:原因や感情

上記を交互に配置することで、心理やテーマを徐々に浮かび上がらせる。感情やテーマ性の強い物語と相性がよい一方、時系列の整理が甘いと読者を混乱させやすい。

なお、筆者は三幕構成をよく使用する。そこで、同じ例文を起承転結・三幕構成・序破急で分解するとどうなるかを検証した。参照していただきたい。

考察:構成タイプを横断するポイントを整理する

構成のタイプには、前項より様々なパターンが存在するとわかった。一方で、本項では各タイプを横断するポイントを整理しておきたい。

①導入と結末

構成を考える中で重要になるのは導入と結末である。導入では、物語への期待を寄せると共に世界観の提示やキャラクターの紹介などを行う。また結末では、導入から導かれる事柄をいかに収束させて、出来事やキャラクターの感情、読者の納得感や余白といった様々な要素が必要となる。

②時系列

時系列は物語を考えるうえで必要不可欠な要素と言える。例えば、導入シーンが結末(結果)から始まるケースにおいても、その結果に至るまでの経過を提示(もしくは把握)ができなけらば物語が破綻してしまうからである。
(上記は伏線を考える場合でも同様だと言える)

そのため、筆者は本文中に提示する・しないに限らず時系列を把握しておくことが望ましい。

③場面転換

一つのシーンで導入から結末までを導いている物語は稀である。そのため、物語の途中に何度も場面転換を挟む必要があると言っても過言ではない。

場面転換の方法としては、視点変更などを用いながら、回想シーンやモノローグを利用し、作っていくのが良いと考えられる。

構成と個別技法の関係

構成は全体設計であり、伏線・導入・回想・場面転換・結末といった技法は、その設計を具体化する部品である。※各技法については、個別記事で詳しく解説している。

①導入と結末
導入は物語全体のどんな役割を担うのか。結末は何を回収するために存在するのかを考える。

②時系列
時系列は物語の年表(出来事の順序や感情の経過)を考え、その中に伏線を落とし込む。

③場面転換
場面転換はリズムと理解をどう支えるのかを考え、必要に応じて回想シーンやモノローグを追加する。

上記のように物語は、構成という視点を土台として、様々な技法で彩っていくと、どのように機能しているかがわかるのではないだろうか。

まとめ

今回は、小説の構成について一般論と筆者なりの考察を述べていった。小説の構成は、導入や結末、時系列といった横断するポイントを加味し、書きやすい(もしくは物語に適した)構成タイプを選ぶと良いと言えるだろう。

では、さいごに一言。
「あなたはどの構成が書きやすいですか?」

構成の種類を知って、書き進めていくと、おのずとあなたにピッタリ合った型が見つかるかもしれない。

以上

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