創作テーマの決め方は?『決める』そして『浮かびあがる』という考え方

Creative Lab
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「創作のテーマが決まらない」
「何を書きたいのか分からない」

テーマは最初に決めるべきなのか。それとも、書きながら見つかるものなのか。 この問いについて、本記事では「決めること」と「委ねること」の両立という視点から整理していく。

創作におけるテーマとは何か?【基本的な考え方】

創作におけるテーマとは、作品を通して「何を描きたいのか」「何を伝えたいのか」を示す軸である。つまり、モチーフが「何を使って描くのか」に近いものだとすれば、テーマは「その作品で何を描くのか」にあたる。(モチーフについては以下の記事より)

創作におけるモチーフとは?見つけ方と作り方を紹介
創作におけるモチーフとは何か。テーマとの違い、日常からモチーフを見つける方法、発想を広げて物語へつなげる作り方を紹介します。

例えば、


  • 過去とどう向き合うのか
  • 力を何のために使うのか
  • 愛するために何が必要なのか

といった問いや考え方がテーマになり得る。また、テーマがある程度見えていると、


  • キャラクターが何に向き合うのか
  • 物語をどちらへ進めるのか
  • 何を描き、何を削るのか

を判断するための軸として使うことができ、作者自身が「何を書きたいのか」を見失ったとき、立ち返る場所にもなる。その意味でテーマは、書く前の出発点にも、創作途中の旗印にもなる要素である。

創作テーマは先に決めるべき?【決め方の考え方】

筆者としての答えは、仮でもよいので決めている方が望ましいというものである。

例えば、学園を舞台にした物語を創作するとする。

そこで「仲間と力を合わせることで、人は成長できるのか」というテーマを置いた場合、友情や努力を中心とした物語が考えやすくなる。

一方、「好きという気持ちを、相手に伝えるとはどういうことか」というテーマを置けば、同じ学園モノでも、恋愛や人間関係を中心とした物語になるかもしれない。

つまり、同じ舞台やモチーフを使っても、テーマによって、


  • キャラクターが何に向き合うのか
  • どの出来事を中心に描くのか
  • 物語がどちらへ進むのか

は変わってくる。

そのため筆者は、創作を始める前に、仮でもよいのでテーマを『決める』ことを大切にしている。

なぜ『浮かびあがる』のか?

一方で、最初に決めたテーマが最後まで変わらないとは限らない。創作を進める中で、テーマが深まったり、少し違う形へ変わったりすることもある。

例えば「勝つために努力する」という方向から物語を書き始めたとする。しかし、主人公が敵と対峙する中で「そもそも、力は何のために使うのか?」という問いが生まれるかもしれない。

主人公や他のキャラクターが力の使い方について考え、異なる答えを選び始めれば、作品の中心も自然と変わってくる。結果として、当初は「勝利」を意識していた物語から「力を何のために使うのか」というテーマが浮かびあがることもある。

つまりテーマは、最初に決めた言葉を守り続けるだけのものではない。キャラクターや物語が動くことで、作者が最初に想定していなかった問いが見えてくる場合もあるのである。

創作のテーマが決まらない理由とは?

テーマが決まらないとき、筆者はまず、仮でもよいのでシンプルに『決める』方法をとっている。創作前に決めるテーマは、いわば作品の旗印である。最初から複雑な文章にする必要はない。例えば、


  • 自分の道は自分で選ぶ
  • 力は何のために使うのか
  • 失ったものとどう向き合うのか

といった形でもよい。

まずは「この作品で何を描きたいのか」を一つ置く。それを基準にキャラクターや物語を動かしていくことで、当初のテーマがそのまま深まることもあれば、別の問いが見えてくることもある。

筆者にとって重要なのは、最初のテーマを正解として固定することではない。まず旗印を立て、作品が進む中で見えてきたものを受け入れることである。

どのようにすると浮かびあがるのか?

では、テーマが浮かびあがるためには、どうすればよいのか。

ここからは、筆者自身の創作方法になる。

筆者は、作者自身の意図だけで物語を進めず、作中のキャラクターに『委ねる』ことを意識している。テーマを実際に背負うのは、作品の中で行動するキャラクターだからに他ならない。

作者が「この作品は○○を伝える物語である」と説明するのではなく、


  • キャラクターは何を求めているのか
  • 何を恐れているのか
  • 何を選ぶのか
  • その結果、どう変わるのか

を見ていく。

例えば「自由」を意識して書き始めたとしても、キャラクターが実際に求めていたものが「居場所」だったと分かることもある。

逆に、作者が「愛」を描こうとしていても、キャラクター同士の行動を追った結果、「相手を信じるとは何か」という問いが強く残る場合もある。

そこで筆者は、キャラクターたちに、
「何を求めているのか?」
「どう進みたいのか?」
と問いかけるような感覚で物語を進めている。

作品の主人はキャラクター。筆者は、その行動を見ながら物語を形にしていく。そうすることで、最初に掲げたテーマとは少し違うテーマが、物語の中から『浮かびあがる』ことがあると考えている。

テーマ・設定・キャラクターの関係については、「小説を書くとは何を設計することなのか?」の記事で、もう一段深く整理している。

創作に迷ったときは、テーマだけを切り離して考える前に、一度立ち返ってみてほしい。

小説を書くとは何を設計することなのか?テーマ・設定・キャラクターの関係
小説を書くとき、テーマ・設定・キャラクターのどこから考えればいいのか迷うことがあります。本記事では三つの要素を「順番」ではなく「循環する関係」として整理し、創作の考え方の基準点を示します。

まとめ

今回は、創作テーマの決め方について、筆者自身の方法を交えながら整理した。
筆者は創作テーマを、


  1. あらかじめシンプルなテーマを『決めて』
  2. キャラクターに『委ねる』
  3. 作品から浮かびあがったテーマを受け取る

ものだと考えている。

つまり作者が行うのは、最初に大まかな旗印を立てるところまで。そこから先は、キャラクターが何を選び、何を語ろうとするのかを見る。

では、ここで一つ。
「あなたのキャラクターは、何を語りたがっているだろうか?」
その答えは、書き始める前には分からないかもしれない。

物語が終わったあと、キャラクターたちが教えてくれることもある。それが、その作品のテーマだったのかもしれない。

以上

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