「物語が面白い」とは、いったいどういう状態なのだろうか?
小説、映画、漫画、ドラマ――媒体は違っても、私たちは日々さまざまな物語に触れ、「面白い」「つまらない」を無意識に判断している。
一方で、その基準を言葉にしようとすると、意外と難しい。だけど、面白さの言語化は創作をする人にとっても、物語を楽しむ人にとっても、物語をより興味深くする手がかりになるかもしれない。
本記事では「物語が面白いと思う条件」というテーマのもと、一般的に語られてきた考え方を整理しながら、筆者の考察を述べていく。
物語が「面白い」と感じられる条件とは?
物語論や創作指南書などでよく語られる通説によれば、物語が面白いと感じられる条件は、次のようなものとされている。
- 物語のカタチ
代表的なのが「起承転結」や「三幕構成」に象徴される分かりやすい物語構造――いわゆるカタチである。物語の冒頭で状況や人物が提示され、問題や葛藤が生じ、それが展開し、やがて結末を迎える。この流れが明確であるほど、読者は安心して物語を追うことができると考えられている。 - キャラクターの存在
もう一つ、魅力的なキャラクターの存在も重要な条件として挙げられる。明確な目的や欲望を持つ登場人物は、読者の共感や感情移入を引き出しやすい。 - 予想を裏切る意外性
予想外の出来事やどんでん返しといった「意外性」も、物語を面白くする要素として頻繁に語られる。読者の予測を裏切る展開は、物語への没入感を高めるからである。
これらの条件は多くの成功作にも当てはまり、一定の説得力を持っている。一方で、構成も整い、キャラクターも立っているのに、なぜか心に残らない物語が存在するのも事実である。この点から、通説で語られる条件は「必要条件」ではあっても、「十分条件」ではない可能性が見えてくる。
物語が面白いと思う条件(筆者の場合)
これは人による。と答えてしまいそうになるが、その答えではどこか味気ない。
――では、私はどのような物語を面白いと思うのか?
考えてみると、意外と王道ストーリーを面白いと感じるという言葉が浮かんだが、それだけではどこか足りない気がしてならない。
――では、何が足りないのか?
もしかすると、ストーリーやキャラクターの必然性、バランス、物語の奥行きを好んでいるのかもしれない。
たとえば、王道サクセスストーリーだったとしても、何でもありなストーリーやキャラクターには面白みを感じない。(何でもありが許されるキャラクターの場合は、それも必然性なので面白いと思うのだが……)
他にも話に関係のないパートが妙に長いケース(アニメ版の引き延ばしなど)や、ただ勝って終わる話(スカッと系の話など)は、面白くないとまでは言わないが、時間が経つとタイトルも内容も忘れてしまう。だから、面白い話として言語化する際に、改めてノミネートはされないのだ。
つまり私は、必然性やバランスといった創作的な構造だけではなく、キャラクターの思いや考え、物語内の歴史、あるいは考察の余地などの条件を求めているのかもしれない。
まとめ
今回は『物語を面白いと思う条件』というテーマで、通説と筆者の意見を述べた。
面白さは人によって違ってくる。しかし、少なくとも“なぜ自分は面白いと感じたのか”を言葉にすることで物語の見え方は大きく変わる。
「みなさんは、どのような物語が好きですか?」
通説と、はたまた私と違っていたとしても、それもまた面白い。そう感じて、本記事を締め括る。
以上
