本を読むことの価値は、ひとことでは語りきれない。知識を得るため、物語に没入するため、あるいは思考を整理するため——読書の動機は人によってさまざまで、そこから得られるものもまた千差万別である。
だが「読書は良いものだ」と漠然と言われても、あまりピンと来ないし、メリットを具体的に話すとなると困ってしまう。
筆者が思うに、小説を読むことと、ビジネス書を読むことは、まったく異なるメリットがある。しかし、両者を混同したまま「読書の効果」を論じているケースもあり、実感が湧かないという感覚に陥ってしまう。
本記事では、小説と実用書・ビジネス書に分けて、それぞれが読者にもたらすメリットを整理し、筆者の体験を言語化する。読書をすでに習慣にしている人にとっても、自分の読み方を見直すきっかけとして活用してほしい。
読書によるメリットは?
世の中には数多くの本が出版されている。その種類も専門書や学術書から絵本まで、さまざまな種類が存在する。
本項は、数多い書物の中から『ビジネス書・実用書』『小説』に分けて整理したい。
ビジネス書・実用書を読むメリット
ビジネス書や実用書の最大のメリットは、体系化された知識を効率よく吸収できる点にある。さまざまな分野の経験者が試行錯誤の末に行きついた思考の枠組みを、誰でも短時間でインプットできる点である。
また読者にとっても、本に書かれた内容を実務や日常生活に用いる前提で読み進めるため、思考が実践に向かいやすい。加えて、良書ほど単なるノウハウにとどまらず、問いを立てる視点や判断の基準を与えてくれており、単なる情報収集を超えた、自分の思考を鍛える道具にもなり得ると言える。
小説を読むメリット
小説を読むことの本質的なメリットは、他者の内面に深く入り込む体験にある。現実では決して出会えない人物の思考・感情・人生観を追体験し、読者も自然と共感力や想像力が養われる。
また、優れた小説の文体に触れ続けることは、語彙や表現の引き出しを広げ、書く力・話す力の土台を静かに育てていく。加えて物語に没入する時間は、日常の思考から切り離され、精神的な休息としての側面も持つだろう。
こうして並べてみると、ビジネス書と小説は「得るものの性質」がまるで異なることがわかる。前者が知識や思考を意識的に取り込む行為だとすれば、後者はより無意識に働きかけ、感性を緩やかに形成していくといえる。
どちらが優れているかという問いは意味をなさない。両者は補い合うものであり、読書の豊かさはその往還にこそある。
読書のメリット(筆者にとって)
筆者は世の中に比べれば、読者体験が豊富とは言い難い。小説の読書経験も100に満たないと思われるし、専門書・学術書なども小説と同じくらいだと思われる。
(実際に数えたことはないので、正確には言えないのだが)
それでも、最近、少し思い悩むことがあって、久しぶりに読書をした。それは、実用書に近いのだが、どちらかと言えば小説のような本であった。そんな中、読書をするメリットが確かにあったので、本記事を執筆している。それは、読書をしていると、論理ではなく、感性や感情に訴えかけられることが多かったことだ。
たとえば、知識として知りたいのであれば、目次を見て、既知なのか否か、あるいは自覚しているか否かを問いただすだけで終えられる。この方法ならば、タイムパフォーマンスが非常に良く、一見実用的なように考えられる。
しかしながら、実際はそうではなかった。確かに、その本を読んで、知識としての新たな発見はほとんどなかった。一方で――
『自分ならばどうするのか?』
『現状を打破するには、どうすべきか?』
という問いを考え、新たなアイデアが生まれてきたのである。これは、読書を通して、自分と向き合い、思考を巡らせた結果に他ならない。
つまり、読書をする最大のメリットは――
活字を通してノイズが消えて、新たな発想を育む余白が生まれたこと。
なのかもしれない。
まとめ
今回は、読書のメリットについて整理し、考えを深めた。
読書のメリットは、知識を得ること、想像力を養うことだけではない。活字を通して、邪念が振り払われ、アイデアの入る隙間を生むことだとも言えるだろう。
さて、皆さんにはどのような読書体験があるのだろうか?
久しぶりに読書に耽ってみると、新たな発見があるかもしれない。
以上
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